よく噛むためには、姿勢が大切?
日本歯科大学の丸茂義二先生の実験「おむすび咀嚼実験」をご紹介します。
おむすびを食べた時の咀嚼回数を3種の姿勢別(正座、足接地、足ぶらぶら)に調査したものです。被験者は成人歯科医29歳から57歳までの48名。
不安定な姿勢では噛む回数が少なくなり、背筋が伸びやすい正座が、一番よく噛めることが明らかになりました。正座平均92回、足接地77,8回、足ぶらぶら65,8回。表参照
小さい子供が、食事に集中できず、困ることがありますが、足元がぶらぶらしていませんか?全身が安定する姿勢はよく噛み、よく味わえる基本条件です。足台を置くなどの一工夫を。
毎日正座での食事は難しくても、姿勢を意識する、心掛けることは大切です。姿勢の悪さは、正しい咀嚼を阻むだけでなく、顎関節症の原因にもなります。
長時間のスマホの使用。特に若い成長期の方々は首や背骨に影響が出やすく、あごが圧迫されて口の動きも悪くなります。他にも横座りをする、足を組む、寝転んだり肘をついてテレビを見る、電車でのうたた寝などの生活習慣は、姿勢に悪影響を与えます。
さらに心のバランスも大切です。心配事があれば、人は自然と下を向きがちになり猫背の姿勢をとりやすくなります。
普段から自分の姿勢や食べ方、心の状態に少し意識を向けることが、結局、正しい咀嚼、顎関節の予防や改善につながると言えます。
2015年9月9日 9:14 AM | カテゴリー:医院からのお知らせ