唾液の話
普段はほとんど意識することもない唾液ですが、私たちが健康で快適な生活を送るために大切な働きをします。
唾液の分泌量の低下は、口臭、ドライマウスの原因になります。
口の中が乾燥し、ネバネバし舌や唇がひび割れたりヒリヒリします。また、食べ物が呑み込みにくく舌がもつれて話づらい、味覚障害などの不快症状がでます。
唾液は大小の唾液腺から1日1~1,5リットル分泌されます。その主な働きは
*消化作用(でんぷんの分解)
*咀嚼、嚥下の補助作用(食物を湿らせて噛み砕きやすくし食塊の形成や嚥下を容易にする)
*口腔粘膜の保護(唾液の成分が食べ物や粘膜を覆い、食べ物や入れ歯などの刺激から粘膜を保護)
*歯の再石灰化作用(歯の表面を再生し虫歯を防ぐ)
*緩衝作用(食後、酸性に傾く口の環境を中和し虫歯を防ぐ)
*味覚(唾液に含まれる亜鉛により味覚が得られる)
*抗菌作用(口の中の細菌の増殖を抑える)
*自浄作用(口の中の細菌や食べかすを洗い流してきれいにする)
*水分代謝の調節(脱水時の唾液分泌が抑制される)
*胃酸の逆流を防ぐ
など多岐にわたりますます。
唾液は、交感神経、副交感神経(自律神経)の二重支配を受けています。
唾液は副交感神経が調節し反射的に分泌されます。その際口の中に食べ物が入ると機械的刺激や味覚などによって反射的に分泌される(無条件反射)と食べ物を見たり、匂いをかいだり、想像するだけで唾液が分泌される(条件反射)2つのパターンがあります。この時の唾液はさらさらした水溶性のもので分泌量は多いです。
緊張したり、不安や怒りを感じた時には交感神経優位になり唾液は粘調整となり分泌量は少ないです。
唾液が少なくなる原因
加齢、女性ホルモンの低下、ストレス、生活習慣(早食い、よく噛まない、喫煙など)、その他(糖尿病、膠原病、甲状腺などの病気、抗うつ薬、睡眠薬、降圧薬などの副作用)
唾液の分泌量を増やすには
*よく噛んでゆっくり食べる、表情豊かに会話する(口周囲の筋力を鍛え、唾液腺を刺激する)
*適度な運動で自律神経をコントロールする
*口の保湿を心掛ける(保湿ケア商品の使用、こまめな水分補給など)
*口呼吸、口を開けて眠る習慣を改善する
*柑橘類、梅干しなどを食べて分泌を促す。シュガーレスガムを噛む
これらのことを心掛けても口の乾燥の自覚症状が改善されない場合は一度ご相談ください。
2012年3月23日 2:12 PM | カテゴリー:医院からのお知らせ